メタボリック・シンドロームと予防医学
平成15年4月から サラリーマンの健康保険の自己負担が2割から3割に上がりました。このようにどんどん値上げが続けば、病気になってもお金がないので病院にも行けないという ことになります。重病でもしたら、借金して病院に行く以外に方法がなくなるかも知れませんね。
そこで、にわかに脚光を浴びだしたのが、予防医学 です。これは、「病気になってからの治療」から一歩進んで、「病気そのものを予防する」という考え方です。
単に予防医学といっても、色々あります。定期健康診断、人間ドックなども、予防医学の1つです。これらは予防医学でも早期に悪いところを発見し、軽いうちに対策をするものです。
動脈硬化を起因とする狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった病気は、医療チームの技術レベル向上に伴って死亡率は低下しました。でも病気そのものが減っているわけではなく、予備軍も含めるとますます増えています。
ごく軽症時のこれらの疾患(肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧)は一つ一つの疾病としてはそれほど身体にダメージを与えませんが、肥満でありながら複数併せ持つ状態(メタボリック・シンドローム)になると急速に動脈硬化を進行させることがわかっています。
複数の因子が重なること(メタボリック・シンドローム)で重大な合併症である脳梗塞や心筋梗塞といった血管障害の危険度は2倍から3倍にも上昇します。
このように、メタボリック・シンドロームが動脈硬化に関連していますが、もし病気(合併症である脳梗塞や心筋梗塞)にかかる人を減らすことができれば、国民医療費の軽減あるいは多少なりとも医師不足解消にもつながるなど、様々な面から必要と考えられます。少子高齢化の日本はますます予防医学が重要になってきます。
メタボリック・シンドロームという病名は、こうした合併症を起こしやすく、動脈硬化症になりやすい人の早期発見を目的につけられた予防医学という側面もあるのです。
禁煙外来が保険適応となったのもこうした予防医学の重要性のためです。
いまやメタボリック・シンドロームと予防医学は、国策としてもっと早急かつ積極的に進めなければならない問題となっています。